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#炭の正しい使い方

正しく知ろう炭のこと

アウトドアやBBQなどで、多くの方が炭を利用して楽しんでいます。
薪のパチパチ音やゆらめく炎も良いですが、火力が安定しないために、調理するには炭の方が適しています。一度着火してしまえば火持ちが良く、料理も美味しく焼きあがる炭火ファンも多いようです。
ただ、炭の種類や使い方などを知らない方もまだまだ多く、正しい知識がないままご使用されている方が多いのも事実です。
 
キャンプ場などで、使い終わって火がついたままの炭を土中に埋めて帰る人たちがいるようです。
知識がなくて悪気なくやっているのだと思いたいところですが、いずれにしても非常に危険な行為ですので、少しでも多くの方々に炭についての正しい知識が届くようにと願います。

炭×正しい知識

炭を制するものは、アウトドアを制する

炭の着火方法について
炭は炭素量が多いために、薪ほど火付きが良くありません。
ただ、炭のチョイスや組み方、そして心構え次第で比較的容易に着火させることが可能です。

▶炭のチョイスとして、着火に適した炭は黒炭と呼ばれる軽い炭で、炭素率がそれほど高くありませんので容易に着火が可能です。
後述しますが、消し炭と呼ばれる一度使用した炭を利用すると、空気の通り道が出来ているためにとても着火性が良く、火熾しに適しています。
▶炭の組み方は、着火に大きく影響する非常に重要なポイントです。
色々なセットの仕方がありますが、一般的なものは井桁に組み、真ん中に着火剤などを置いて、煙突効果によって隙間から上昇気流をおこして効率的に着火させます。
▶そして、着火剤に火をつけたら、はやる気持ちは抑えて、あまりいじらずにじっと待ちましょう。「着火は恋愛と同じ」で、あまりかっこつけようと思わず、大人の余裕で焦らない気持ちがとても重要です。
▶ご自宅で着火させる場合も同様ですが、火熾し器を使用する場合は、炭を適量いれてガスコンロで着火させましょう。

注意点として、いくつか挙げておきたいと思います。
▶天然の炭の内部には、孔とよばれる無数の空間があります。
急激に着火させようとすると、内部の空気が急激に温められて膨張し、炭の硬い組織を突き破ってバチンと跳ねることがあります。そのため、のぞき込んだり周りに燃えやすい物は置かないようにしましょう。
はねにくくするコツは、炭を徐々に温めることです。
▶また、ガスボンベを使用して着火させる場合、
炭に火が回り高温になると、炭の熱によってボンベが温められ、爆発する恐れがありますので、絶対に止めましょう!


火種ができてからの方法
黒炭にある程度火が回り始めたら、おが炭白炭などもう少し硬くて重い炭を周りに置き、少しずつ火を移していきましょう。ここでも大事なことは、焦らない事です。

火種となっている黒炭を動かしてしまうと、せっかくの火種が崩れて消えてしまう場合がありますので、なるべく動かさないようにしましょう。
火種の上に炭を乗せすぎると、空気の流れが悪くなり、この場合も火が消える可能性がありますので、空気の流れを意識しましょう。


火が熾きてからの並べ方
焼台の種類やサイズにもよりますが、面積がある焼台の場合は温度の高いところと低いところを作ります。
温度を高くする部分には炭を多く置きます。
食材に近い表面部は、なるべく硬質な炭を置くようにすると、炎が立ちにくく食材が焦げにくくなります。

炭を継ぎ足す際には、着火時と同様に炭がはねる場合がありますので、温度の低いところで徐々に温めることをオススメします。


炭の使用中の注意
炭が燃焼すると、一酸化炭素が発生します。
特に自宅など、閉鎖的な場所で使用すると一酸化炭素濃度が上がり大変危険ですので、窓を開けながらもしくは定期的に換気をしながら使用するようにしましょう。

 
炭の消し方・後処理
炭を使い終わったら、適切な方法で処理しましょう。

▶時間に余裕がある場合は、そのまま無くなるまで燃やし続ける方法が1つです。こまめに灰を落としたり、炭を細かく砕くことで、短時間で燃やし終えることができます。
▶時間が無い場合は、バケツのようなものに水を用意し、その中に火のついている炭を1つずつ入れていきます。
水につけた直後は、炭の内部がまだ熱いためヤケドにご注意ください。10分程度水につけておくことを推奨します。
1度に大量の炭を入れると、水蒸気爆発のようになります。
また、燃えている炭に水をかけた場合も同様ですので、絶対やめましょう!
▶BBQ場やキャンプ場の場合は、炭捨て場が用意されているところがありますので、施設の指示に従って廃棄するようにしてください。
▶火消し壷というアイテムもあります。
ステンレスや鋳物など色々な種類がありますが、空気を遮断して鎮火させるという仕組みです。
入れ物が大変熱くなりますので、周りに燃えやすい物などを置かないように注意しましょう。

一度火がついて消火された炭は、余分なガス成分が抜け空気の通り道が出来ているため、簡単に着火させることができます。
プロの飲食店でも、着火時に前日の残り炭を火種に使用するところもあります。
但し、水につけて消火したものは、内部に水分が残っていると火付きに時間がかかる場合があります。


「立つ鳥後を濁さず」という心意気
最後に、炭は土には還りません。
火がついたままの炭を土に埋めて帰ることが問題になっていますが、非常に危険なので絶対にやめましょう!!
自分たちが持ってきたものをその場に置いていく行為は、アウトドアをする資格がないと言えるでしょう。

来た時以上に美しく。
子供たちの手本となるような行動をして、みんなが居心地が良く楽しめる環境を作っていきたいですね。
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