#地球にやさしい炭
実は、炭は地球にやさしい。
いうまでもなく、炭は木を炭化させたものです。
炭を作るためには、多くの原木を必要とします。
木は有限の資源ですから、当然ながら計画的に伐採しなければすぐに枯渇してしまいます。
「木を伐採する。」
これだけを見ると、地球にやさしいというイメージは湧きませんよね。
「木材を伐採することは森林破壊」
「さらに炭を燃やす際に出るCO2は、地球温暖化を進めている」
そんな声があるのも知っています。
しかし、炭を作ることは森林破壊にならないし、実は自然環境にとって良いことなんです。
この事実を多くの方々に知っていただき、炭が環境に与えるイメージを変えていきたいと思っています。
炭×環境
炭を使うことは 自然環境を守ること
炭は木を伐採して、それを炭化させて生産します。
木を伐採すること=環境破壊というイメージがありますが、無計画に伐採すると当然ながら環境破壊につながり、私たちの生活にも多大な影響を及ぼします。
放置される山
日本において、第2次世界大戦後に急速に経済が発展して、木材の需要が減少したことや海外から安価な木材が入ってくるようになったことで、従来のように日本の木を大量に使うことが無くなり、管理されずに放置される山が増えました。
山が放置されると木や草が生い茂り、地面に光が届かなくなって下草や他の樹木の芽が生えにくくなります。
下草が生えにくくなると、いずれ養分となる下草が減ることで土壌が貧弱になったり偏ったバランスの山になることで、木の根張りが浅くなったり土壌のひび割れが起きやすくなるため、土砂崩れが起きやすくなります。
放置された山には高齢の木が増えます。人間と同じで、高齢の木は抵抗力が弱まり病気にかかりやすくなる上に、光合成の活動も低下します。
よって、適切なタイミングで適切な量の高齢の木を伐採して若い木を増やすことで、光合成の活動が活発になりCO2の吸収量も増加するため、適切な手入れは環境を改善することに繋がります。
日本での伐採
日本で炭を生産しようとする場合、端から木を伐採しているわけではありません。
炭に適している木とそうではない木があるので、炭に向く原木(樫や楢など)を選んで伐採する「択伐」という方法によって、必要最小限の原木を伐採しています。
このことによって適度に木が間引きされて、適度な日光が地表に降り注ぎ、肥沃な土壌が作られて山が活性化することに繋がります。
海外での伐採
海外で炭を生産する場合も、計画的に原木を伐採しています。
原木を伐採するためには、各国の政府より伐採権と呼ばれる“このエリア内の木であれば、好きなだけ伐採してもいいですよ権”をもらいます。
但し、この権利が付与されるのには、伐採と同時に植林活動を行うことが義務付けられています。
弊社のパートナーである各地の生産者たちは、当然ながら伐採権を持っており、植林活動を行いながら伐採・生産活動をしており、環境にやさしい持続可能な生産体制を構築することを目指しています。
私たちは長期的な視野を持った生産者との協業により、持続可能な生産・販売体制の構築に挑戦しています。
残念ながら海外の一部では、違法で無秩序な伐採が行われていることも事実です。
私たちは、違法伐採された原材料は調達しないことを徹底しています。
カーボンニュートラル
炭はいうまでもなく木から作られますが、木は成長中にCO2を取り込み、体内に炭素を貯めこみます。
炭は木を炭化させたもので、炭化は炭素以外の物質を抜いていく作業になりますので、炭を構成するものはほぼ炭素のみとなります。
炭を燃やした時に排出されるCO2は、木が生長する過程で光合成によって大気から吸収したものになるので、大気中のCO2は増えない事になります(ここでは製炭時に排出されるCO2は除いています)。
この考え方をカーボンニュートラルといいます。
炭を燃やさずに温暖化対策
炭とは炭素を固定化したものですので、炭を作り続けてそのまま保存すれば大気中のCO2は減っていくことになります。
例えば土壌改良や水質改善などに利用することで、炭素を固定したまま活用できます。燃やすこともないのでCO2を排出することもありません。
これはカーボンマイナスという考え方で、炭の価値はこれまで燃やしてエネルギー源にすることが主でしたが、今後は温暖化対策の一手として新しい価値を生み出す可能性を持っています。
環境を守ろうという心意気
私たちは常に持続可能性があるかを発想や行動の基準としています。
上記したような植林活動や持続可能な生産体制の構築には、当然ながら手間とコストがかかります。
しかし私たちとパートナーである生産者は、いかに持続可能な体制を構築できるかにフォーカスしています。
これには「医食同源」「薬食同源」と同じ発想をする必要があると考えています。
「日頃から体に良いものをバランスよくとることで、病気を予防しよう」という考え方、あるいは「後々発生するコストを考えれば、コストが掛かっても良質なものを摂取して事前に対処しよう」という考え方です。
今コストを掛けてでも良い循環を生み出して自然環境を守ることで、長期的に持続可能な生産・販売体制が構築されると信じています。
子どもや孫の代まで美しい自然環境を守ろうという心意気を持ち、その心意気を行動につなげることが私たちに求められていることだと考えています。