本文へ移動

#炭火焼の美味しさ

なぜ炭を使うのか

「やっぱり炭で焼くと美味しい」
 
よく聞くけど、確かに美味しいと思う。
だけどなぜ美味しいの?本当にそうなの?
ガスで焼くのとどう違うの?
 
飲食店のお客様は、着火や火加減のコントロールに手間がかかる炭を、なぜ使うのか。
BBQやキャンプを楽しむ皆さんが、なぜ着火や後片付けが面倒な炭を使用するのか。
 
炭を販売しながら、いつも考えています。
「なぜ炭を使うのか」と。

炭火×科学

私たちが考える炭火焼の美味しさ

私たちが考える炭火焼が美味しい理由
感じ方・考え方は十人十色ですが、私たちはガスや電気で焼くよりも炭火焼の方が美味しいと思っています。
どちらが良い悪いという話ではなく、個人の好み・価値観の問題です。
 
なぜ炭火焼が美味しいと感じるか、下記のような理由があると考えています。
◇炭には圧倒的な熱量があること
◆炭から放射される赤外線量が圧倒的に多いこと
◇炭に脂が落ちたときに出る煙で好ましい香りがつくこと
◆旨味成分が大幅に増えること
◇焼ける音など、視覚・聴覚によって脳内物質が分泌されること
◆手間な炭への着火を乗り越える達成感があること
◇炭火を囲んで食べる仲間との連帯感があること
◆面倒な炭を使っている自分が好きという自己肯定感があること
◇普段の生活では味わえない非日常感があること
 
科学的に証明されているものもあれば、まだはっきりと分かっていない部分もあります。感覚的なところもありますが、特にBBQやキャンプで炭火焼が美味しいと感じるのは、こうした感覚的なところが大きいのではないかと思っています。
 
旨味や香りが増すという味覚・嗅覚・視覚で美味しさを感じることもあれば、仲間とのコミュニケーションで親近感が増したり、炭を熾す非日常感や達成感など、心で感じる美味しさもあるでしょう。
 
 
炭火焼の持つ力
①圧倒的な熱量と赤外線
真っ赤におきた炭の表面温度は、800~1000℃にもなります。
そこから放出される熱と赤外線は非常に多く、熱量は電気の3倍以上、赤外線量はガス火と比較して3~4倍とも言われています。この大量の熱量と赤外線のおかげで、食材の表面をカリっと中はふっくら焼きあげることが可能になります。
食材の表面を短時間でカリッと焼き上げることで、食材内部から旨味が逃げ出ることを最小限に留めることができます。
 
②好ましい香り
加熱中に食材から落ちた脂やタレが炭に落ちると燻煙となって、食欲をそそる好ましい香りを食材につけます。燻煙効果はガス火や他の熱源では再現が難しいと思います。また炭火加熱すると、好ましくない香りが減って好ましい香りが増えるといわれますので、その点も炭火焼の方が美味しいと言われる理由の一つとなります。
 
③増える旨味成分
肉は加熱されることによって、グルタミン酸を増やします。
生肉に含まれる量を1としたときに、ガス火加熱と炭火加熱を比較すると、炭火加熱の方がグルタミン酸量が20%以上多かったという試験結果もあります。同じ熱でも炭火加熱の方が旨さを引き出す効果が高いと言えます。
炭から出る灰も美味しさアップに寄与しています。
灰は木のときに取り込まれたミネラル分で、これが食材につくことで旨味を損ねる脂肪酸を中和し、旨味をアップさせる働きをすると考えられます。
 
④情緒的側面
昔は家庭で料理をする際にも炭を使用することが一般的でしたが、現在ではほとんどガスや電気がメインになっています。
子供の中には、炭はもちろん火を見たことが無い子もいるとかいないとか。
家庭で炭を熾す場合というのは、非日常的で特別なシチュエーションであることが多いように思います。
その特別感や非日常感が炭火焼をより美味しくさせる一因になっていると考えます。
 
 
炭を使うという「心意気」
炭を使う場合は、着火や後片付け・火力の調整など大変手間がかかります。汚れるしコストもかかります。
ガスで焼いたものと炭火で焼いたものに、コストを掛けた分だけ美味しさに違いがあるのか。食べて違いが分かる人はどれだけいるのか。
炭火焼の方が美味しいと思っていても、手間で炭を使用する事を敬遠する方もいらっしゃいます。
 
最近ではアウトドアはもちろん、家でもBBQを楽しむ方々も増えました。BBQセットやキャンプ道具もそろえて、面倒な炭火で料理を楽しむ様子がSNSでよく見られます。
また、弊社には多くの飲食店のお客様がいらっしゃいます。
少しの差にこだわるプロフェッショナルな方々ばかりです。
食材にこだわり、器にこだわり、盛り付けにこだわるのと同様、
その差はわずかで曖昧かもしれないけど、少しでも美味しい料理を提供しようと面倒な炭火を使う料理人がいます。
 
2020年コロナウイルスの影響で世界が一変し、これから生活様式や人々の価値観も変化していくでしょう。
オンラインで済まされる事柄が増え、相対的にオフラインの価値が高まり、家族との時間の使い方はもちろん、会う人の選び方・人との会い方・お金の使い方・時間の過ごし方が変わっていくと考えます。
そんな中で、火や料理を囲んで過ごす家族や仲間との時間を少しでも楽しい時間にしよう、少しでも美味しい炭火料理を楽しもう、来てくれるお客様に少しでも美味しい炭火料理を楽しんでもらおう、そのような面倒を楽しむ「心意気」が炭火焼を美味しいと感じさせる理由の一つになるのではないかと信じています。
TOPへ戻る