本文へ移動

赤外線 ✖ 炭

赤外線とは
光は電磁波の一種だそうです。
光にはヒトの目に見えるものと、そうでないものがあります。
ヒトの目に見えるものを可視光線といい、波長が長い方から赤・橙・黄・緑・青・藍・紫色で構成されています。
 
天文学者ハーシェル氏の研究で、赤の光より外側にある光が熱をよく伝える性質を持っていることが明らかになりました。これが赤外線です。文字通り、赤よりも外にあるので赤外線といいます。逆に紫よりもさらに波長が短い光は、紫外線といいます。
 
熱を持つ物体はすべて赤外線を放出しており、温度が高くなればなるほど多くの赤外線を放射します。
サーモグラフィーってありますよね、体温が高いところが赤くなり低いところが青くなるやつですが、これは赤外線をとらえて温度を計測しているのです。体温が高いところは赤外線の放射量が多いので赤くなるというわけです。
 
遠赤外線とは
「遠赤外線により中までふっくらと焼き上がります」
 
このようなうたい文句を見たり聞いたりする事があります。
どのような理屈でこうなるのかまで、理解している人は多くないと思います。
 
赤外線は波長により近赤外線と遠赤外線と区別することが出来ます。赤外線の中で、より波長が長いものが遠赤外線ですね。
金属以外の物体によく吸収されるため、物体を非常に効率よく加熱することができます。
遠赤外線は物体(ここでは食材です)に到達すると、表面付近で吸収されます。せいぜい表面から1ミリ程度しか入り込まないといわれています。
波長が短い方がより中まで入り込むため、なんなら近赤外線の方が中まで入り込む可能性があります。
 
遠赤外線 × 炭
物質を構成する分子は、その物質自体が持つ温度に応じた固有の振動をします。金属以外のほとんどの物質は遠赤外線と同じ波長領域のために、遠赤外線を吸収すると共鳴して分子の活動を活発にします。これを「熱振動」といい、この振動エネルギーが熱エネルギーへとなって物質の温度を上昇させます。
 
表面で吸収された遠赤外線は、効率よく熱エネルギーに変換され、表面温度が上昇します。表面が短時間に加熱されることで、うま味や水分が流出する前に表面を焼き固めると同時に、熱伝導で内部へと熱が伝わっていくことで、内部がふっくら焼けるという仕組みです。
遠赤外線を吸収した物質は遠赤外線をよく放射するという性質がありますので、表面から内部へ遠赤外線が放射されて内部が加熱されるという可能性もあります。
いずれにしろ、遠赤外線によって表面付近を効率よく温められたものが、伝導熱で内部に伝わっていくというプロセスで、食材が非常に美味しく調理することができるというわけです。
 
 
<参考(敬称略)>
一般社団法人 遠赤外線協会 ホームページ
 
 
 
 
TOPへ戻る